女中さん

映画化された中島京子さんの「小さいおうち」は女中さんが主人公です。

今は女中さんは死語になりつつあり、お手伝いさん、家政婦さんと呼び方が変わっています。

本の中の主人公は、女中業にプライドを持っていましたから、ことさらに呼び方を変えることには抵抗感を持つという設定になっています。

私の身内で女中さんを雇っていたのは叔父の家だけで、中学を出たばかりの真ん丸い顔をしたEちゃんが住み込みで働いていました。

気が利く~などとは無縁なのんびり、おっとり、少しぼんやりしたEちゃんは、いつもニコニコ、裏表が無い(丸っきり無いわけじゃないでしょうが)性質でした。

ものすごい癇癪持ちでありながらも人情家でもあった叔父は、時たまイラッとする叔母から庇い、盆暮れには洋服を仕立ててやったりして可愛がっていました。

そして20代半ばにはお嫁に出します。

が、昭和も50年代前後になると、住み込みのお手伝いさんなど代わりは見つかりません。

仕方なく通いの家政婦さんを頼んでみたら、それはそれはプロらしく、無駄な口はきかず、てきぱき、きっちり仕事をしてくれたそうです。

ところが、このてきぱきが叔父の気に触る・・・イライラして寛げないらしい。

何人か交代してもらっても、てきぱき働くのが気に触るのでは結果は同じで、だからと言ってサボってばかりの人でも困るわけです。

結局、結婚後も実家代わり(?)に遊びに来ていたEちゃんが、子どもを保育園に入れて仕事を探すと話していたのに飛びつき、今度は通いで舞い戻ります。

従兄が結婚し(両親と同居)、叔父たちも事業から手を引いた数年後、Eちゃんの姑さんの体調が悪くなり退職しました。

その後、誰も雇うことがなかったのは、お嫁さんを女中代わりに~などではなく、お嫁さん本人が嫌がったからです。

確かに、そういう暮しに慣れていれば家事万端を担ってくれる人がいるのは楽ですが、常に他人がいるのは気骨が折れる側面もあります。

私がたまに遊びに行っていた小学生のころ、Eちゃんは大人の1人でしたが、当時感じていたほど年齢は違っていません。

自分自身はもちろん、私の娘だって、中学を出てすぐに親元を遠く離れ、赤の他人の家で住み込みで働くなど想像もつきません。

今思うと凄いなあ、偉いなあと感心するばかりです。

叔父の葬儀、叔母の葬儀でお会いしましたが、昔と全然変わらず真ん丸い顔でおっとりしていました。

Eちゃんのことは、知っている人はみんな「Eちゃん」と呼んでいましたが、知らぬ人からは「女中さん」と呼ばれました。

下女となると嫌な響きがありますが、Eちゃんも女中さんと呼ばれると嫌だったのかなあ・・・と思ったりしました。

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良い映画でしたね

懐かしいような、ほのぼのとしながらも、恋模様有りとても良い映画でしたね。実は私の幼少時代、極々普通の家なのに何故かお手伝いさんがいたのです。ねえやさんと呼ばれていました。私はみっちゃんと呼んでおり、可愛がって貰い、やがてお嫁に行き、遊びに来てくれていました。どうして普通の家なのにそんな事が出来たのか両親に聞かずじまいで、二人とも今は天国です。人件費が安かった事も一因でしょうか。お陰で懐かしい日々を思い出しました。

Re: 良い映画でしたね

KOILE様

昔は女性の職場もあまりなかったので
花嫁修業としての女中奉公もあったようですね。

お手伝いさんを雇うということは
雇う側にも器量が必要で大変だと思います。

私は原作を読んだだけで映画は見ていないのです。
黒木華さんが昭和の女性らしいと評判になっていたのは知っています。

どうも原作を読んでから映画を見ると
改変されている部分が目につきがっかりすることが多いのですが
山田洋次さんなので大丈夫かな?
 
機会があれば見てみたいです。
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Author:よつば
二人の子どもがようやく独立し、学費の支払いから解放されて、ほっと一息。ふと気付いたら老後はすぐそこ。どうしましょうと焦る日々です。

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